I took a hot spring in the outdoor and had a relaxing time there while enjoying nature.
「海獣の子供」レビュー
6/7公開の映画,「海獣の子供」を観てきました.
宣材の絵が綺麗で夏!という感じ.で,夏休み前に観るにちょうどいいかなと.(映画に描かれる季節感が好きなので…)
原作における五十嵐の独特の画風は,アニメにも美しく反映されているように思えた.
あらまし
夏休み早々,部活出入禁止になってしまう中学生の琉花.ジュゴンに育てられたという謎の少年,海.二人が水族館で出会うことから始まり,更には海の兄,空を交えて物語が進む.
原作でのエピソードはかなり省略されているそうで,映画においては海と空,二人の素性が良く分からないまま一気にクライマックスにもっていかれる.
「隕石」を手にした琉花を受け入れるように海で始まる「生命の宴」,その描写は宇宙を模したものになっていゆく.
現実との境界線が曖昧なまま,現実離れした感覚に描写が移り変わっていく.
「言葉」ではなく見たものを「そのまま」に感じる
劇中では琉花が鯨の「歌」を聴く場面がある.
人間は言葉で思っていることの半分も伝えられない,けれど鯨は歌を通して見たものをそのまま伝え合っているのかもしれないという.
他人に自分の気持ちをうまく伝えられない琉花との対比と思われる.
見たものの情報を「言葉」ではなく(五感で?)「そのまま」感じ取ること,これはこの映画のテーマであろう.
前述のクライマックスにおいて正に「言葉」は無しに映像を「そのまま」に感じとる内容であったし,展開に付いていけた自信はない.
子供向けのアニメと思って見に行くと退屈かもしれない,実際,近くの席からはイビキも聞こえてきたし...
不思議な読後感(?)であり,とにかく感じることを観る手に委ねているようにに思えた.
余談:「イルカの目を持つ子供たち」,他
水の中を自由に泳ぐ海と空を見て思い起こされたのが「イルカの目を持つ子供たち」.
タイの漁猟民族で,海の遊牧民とよばれる.
後で気づいたのだけれど,琉花を演じているのが芦田愛菜.さりげなくこの内容を演じているところが末恐ろしい.